名前 | ラヒーム・シャキール・スターリング (Raheem Shaquille Sterling) |
代表 | イングランド |
生年月日 | 1994年12月8日 |
身長 | 170m |
体重 | 69kg |
ポジション | MF/FW |
利き足 | 右 |
マンチェスター・シティでプレーするイングランド代表FWラヒーム・スターリングのプレースタイル・経歴をまとめた。左右のウイングがプレーエリアでカットインを得意とする。突破力は現代サッカーでも随一のポテンシャルを秘めている。
スターリングのプロフィール・キャリア
When it’s time to work, it’s time to work! Love being back on the training field again.#MCFC #CITIZENS #RS7 #LOVE pic.twitter.com/shBnDKyhPm
— Raheem Sterling (@sterling7) 2018年8月6日
ラヒーム・スターリングは、1994年12月8日にジャマイカのキングストンで生まれる。彼がジャマイカで過ごすにはとても危険なエリアだった。ギャングが支配しているのは当たり前で、立ち入り禁止区域のコミュニティに参加していたからだ。
スターリング少年は、サッカーに明け暮れる日々を送っていたが、ときおり鳴り響く銃声もあったそうだ。
しかし、そんな彼が6歳のときに転機が訪れる。母親とともにロンドンに移住をした。この転機によりスターリングは、ジャマイカよりも安全な地帯でサッカーをプレーすることになる。
そして象徴的なアーチを持つウェンブリー・スタジアムが、大きなターニングポイントになった。
キャリア①QPRからリバプールへ
スターリングが10歳になるころには、1日2時間の練習に励んでいた。
このころからサッカーIQの高さをコーチたちは感じていた。サッカーが上手いだけではなく、いつドリブルをして、いつどのように後退するかを熟知していた。同年代の子どもたちにはなかったサッカー倫理を早いころから会得していたのだ。
非凡な才能を持つスターリングに対して、最初に目をつけたのが1882年からの歴史を持つQPRだった。QPRのユースに所属したスターリングは、すぐさま頭角を現す。時には1試合5ゴールを決める活躍をみせた。
そんなスターリングに対して、20年間QPRのアカデミーコーチを務めたスティーブ・ガレンは「ラヒームパークレンジャーズ」というニックネームをつけたほどだ。
しかし、そんな活躍をビッグクラブが見逃すわけがない。2010年にリバプールへと引き抜かれてしまう。
キャリア②リバプール時代
スティーブ・ガレンはスターリングを取られないために、必死に戦ったそうだ。でも、リバプールはわずか15歳の少年に100万ポンドの取引を持ちかけた。資金潤沢とはいえないQPRにとっては破格のマネーだった。2022年1月のレートによれば、約1億5,000万円にものぼる。
QPRは頷くしかなかった。そして、スターリングと母親はロンドンを離れてマージーサイドに向かった。
リバプールでも少年時代の才能は引き継がれていた。2012年3月24日のヴィガン戦でデビューすることになる。17歳と107日のデビューは、当時のリバプールで2番目に若いデビューになった。KOPたちは口を揃えて「スターリングはクラブの希望」だと評価した。
だが、スターリングはKOPを絶望と怒りをプレゼントすることになる。
キャリア③2015年マンチェスター・シティ移籍
移籍金4,900万ポンドでマンチェスター・シティがスターリングを獲得することになった。これに対して、リバプールの一部のサポータはスターリングを攻撃する。
母親に対する脅迫や人種差別など、徹底的にスターリングを叩いた。その規模は警察が動き出すほどのものだった。
しかし、スターリングは成長を続ける。プレミアリーグ17-18シーズンには18ゴール11アシストを記録し、翌シーズンも17ゴール10アシストをマークした。そして19-20シーズンにはキャリアハイの20ゴールを奪った。
デ・ブライネらとともにマンチェスター・シティの黄金期を築き上げたのだった。
しかし、21-20シーズンから彼の序列は落ちている。メディアでは求心力の低下などがささやかれ、スターリング自身のパフォーマンスも落ちている。そのため、バルセロナなど移籍話が浮上しつつある。
キャリア④イングランド代表
ジャマイカとイングランドの代表キャップを選択することができたスターリングだったが、2009年のU-16からイングランド代表に所属している。2012年11月のスウェーデン戦でわずか17歳でA代表を飾っている。
それ以降、イングランド代表の中心選手として、2018年W杯、EURO2020に招集されている。しかし、スターリングのイングランド代表としてのキャリアは順風満帆なものではない。
2018年W杯では6試合に出場して1ゴールも奪えず批判の的にされている。さらに、ダイバーの印象が強くたびたびメディアに疑問が投げかけられている。
スターリングのプレースタイル
スピードを生かした細かく速いドリブル
スターリングの大きなストロングポイントはドリブルだ。サイドから中に切り込む鋭いドリブルに加え、縦に抜け出す速いドリブルが魅力的。
マンCの攻撃を牽引するデ・ブライネには出来ないスキルを所有しており、マンチェスター・シティの推進力を高めている。イメージはチェルシー時代に無双していたアザールに近いタイプになるだろう。
また、そのスピードを生かしカウンターの起点にもなるキャラクターだ。ベップの戦術は、ポゼッションのイメージが強いが、カウンターが上手いチームを作り上げてくる。
スターリングの突破力はチームでも重宝されている。
サイドでも中央でもプレーができる
スターリングはポジションを問わず、サイドであろうが中央であろうが、前線のどこでもプレーすることができる。これは、マンC公式サイトでベップが明言していた。
その要因は、小柄ながらも当たり負けしないフィジカル、スピード、パスセンス、どこでもプレーできる資質が備わっているからだろう。さらに、少年時代から評価されていたサッカーIQの高さもプラスされている。
グアルディオラと出会ったことで、スターリングのプレー幅が変わったことはいうまでもない。将来的にはメッシのような万能なプレイヤーになることを期待したい。
献身的な守備
スターリングのイメージは攻撃一辺倒のところがあるとは思うが、試合をみていると献身的に併走するシーンがみられる。システムによっては前からプレスを積極的にかけたり、4-4-2へシフトしたときは自陣深くまで戻っている。
ベルナルド・シウバなどと比べれば、まだまだ守備が甘いとは思われるかもしれない。でも、ワールドクラスのプレイヤーが一定の守備をすることは、チームにとってプラスになるだろう。
グアルディオラ自身も攻撃陣に守備を求める傾向が強いため、スターリングもグアルディオラの命令に答えているように見える。